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9/1

机で少し眠っていた、素敵な夢を見た。と思う。澄み渡った星空の下で何か懸命に話すシーンをおぼろげに覚えていて、覗き込んだ誰かの瞳に藍色の星が映っている。

目が覚めて、一つ背のびをした後窓を開けるとエアコンで乾ききった部屋の空気を分け入るように夏の夕方が入ってきて、危うく死んでしまうところだった、季節はいつも隙あらば僕のことを殺しにかかる。

 

僕もこれを読んでいる貴方も、身体がカッと火照るような昂ぶりだとか狂おしいほどの喪失といった所謂青春を今から願うにはなかなか厳しいところまで歳をとっていると思うのですが、ここへ考えが至るといつも例えようのない焦りがジリと肌の裏を焦がします、圧倒的な感傷、描く景色への憧憬。

 

生まれた瞬間に全てを知って、最期には全てを忘れて無垢でありたいと思う。縮みきって消える前に紅いマントを纏って現れて、貴方のカップに角砂糖を投げ入れよう。

 

 
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